勧進能

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勧進能(かんじんのう)

勧進とは寺社建立などの費用を集めるための寄付金募集行為である。そのような目的で行う能の催しを勧進能と言い、遅くとも南北朝期から行われていたことが確認されている。室町時代に行われた勧進能はほとんどがこのような性格のものであったと推測される。

しかし勧進能は時代が下るにつれてその意義を変化させ、近世に入ると能役者自身が収入を得るための催しとして行われるようになる。

近世の江戸における勧進能には、四座一流(よざいちりゅう)の大夫が催すものと、観世大夫(かんぜだゆう)が生涯に一度だけ許される一代能とがあった。一代能ではその入場券を江戸の町人に強制的に割り当てて入場料を確保したため、観世大夫は莫大な利益を得ることができた。またこの一代能は幕末に例外的に宝生大夫(ほうしょうだゆう)に許されており、その催しは「弘化勧進能(こうかかんじんのう)」という呼称で知られている。

江戸以外の場所では大坂における勧進能が著名である。大坂には能興行のための常舞台があり、京阪在住の役者で、特に囃子方(はやしかた)狂言方(きょうげんかた)が主催者となって勧進能が行われることが多かった。まれには四座一流の役者が主催者となっている場合もあるが、それもシテ方(してかた)以外の役者ばかりであり、三役(さんやく)が中心となっての興行が大坂での勧進能の特徴といえる。

なお、勧進能は、現在ではほとんど行われていない。

催しの単位