劉阮天台

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りうげんてんだい


画題

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解説

画題辞典

漢の永平年中、剡縣の人に劉晨あり、阮肇と共に天台山に入りて薬草を採る、路迷うて歸る能はず、十二日を経たり、飢渇迫る、会々山上を望むに桃樹實るものふり、之を取つて食ふに忽ち飢止み、体充ちたり、即ち山を下り澗水を飲むに、一杯流來、中に胡麻あり、因つて人家あるを知り、更に山を度るに、一大渓間の邊に二美人と会ふ、二美人一見旧識の如く誘うて其家に導く。到れは南壁東壁羅帳絳帳あり、数多の侍婢饌を具して待つ、山河の美味なり、俄に群女あり桃子を持ちて来り、曰く汝の婿来ろを賀す、酒酣にして楽を作し、夜に入り一帳宿に就く婉然殊絶なり,十日にして還を求めしも止められ、半年にして家に歸る、歸来すれば郷邑零落、家は己に七世を経てたり、因つて更に山に往きての女の家に到らんと之を求めしも獲ずとなり、晋の太康八年兩入去る。その仙境歓楽のさま劉阮天台と題して画かるゝ所多し。

孫君澤筆(長門菊屋氏所蔵)

田能村竹田筆(島村浅夫氏所蔵)

瀧和亭筆(下総茂木氏所蔵)

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

その項(劉阮天台)を見よ。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)


劉晨、阮肇、共に漢末平中の仙、天台山に入り、の実を食ひ、道に迷つて仙女に逢ふ物語、やゝ武陵桃源に似てゐる、出処は『列仙全伝』巻三に載す、曰く。

劉晨、剡県人、漢末平中、与阮肇入天台山採薬、路迷不得返経十三日、飢渇偶望山上有桃樹、子実、共取食之、飢止体充、下山取澗水飲、見一杯流出、中有胡麻飯焉、二人喜曰、此近人家矣、遂度山、出一大渓、渓辺有二女子、色甚美、見二人持杯、顧笑曰、劉阮二郎捉杯来耶、劉阮異之、二女遂懽然如旧相識、曰来何晩、即邀還家、南壁東壁各有羅帷絳帳、帳角懸鈴、上有金銀交錯、各有侍婢、使令具饌、有胡麻飯山羊脯牛肉、甚甘美、食畢、行酒、俄有群女、持桃子、笑曰、賀汝婿来、酒酣作楽、夜半各就一帳宿、婉態殊絶、至十日求還、此留半年、気候草木常似春、百鳥啼呴、帰思更切、二女曰、罪根未滅、使君等至此、遂相送指示還路及帰郷邑零落、已七世矣、再往女家尋覓不獲、晋太康八年失二人所在。

此の故事を画けるものに、石井林響の作(帝国美術院展第一回出品)がある。      

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)