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拠点形成と研究目的
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「京都アート・エンターテインメント創成研究」拠点形成と研究目的

長い伝統を誇る人文科学研究においては、情報科学における技術革新とインフラの飛躍的な進歩に伴い、大きく研究手法を変えなければならなくなってきている。 それらが研究や教育にも多大の影響を与えることは間違いない。しかしながら、これまで人文科学の中に情報技術を取り込み、画期的な効果を挙げた例は少ない。 本プログラムにおいては、「京都学」に最新の情報学や手法や技術を取り入れて、知の枠組みの再構築することを目的する。
本学史学専攻は京都にある代表的な専攻として、これまで高い評価を受けてきている。 さらに地理学専攻においては、地理情報システム(GIS)の関西における拠点として先進的な研究を進めてきた。また、アート・リサーチセンターでは、人文系の 視点から有形無形の文化財をデジタルアーカイブし、先端的な学術成果を上げてきた。これらに、理工学研究科で生み出された最新の情報処理技術によって、 蓄積してきた学術コンテンツの研究を支援することにより、全く新しい成果を生み出すことが出来る。これまで、他機関との間で築いてきたネットワークと本学の 地の利を活かすことにより、また伝統的なものと最新の技術の融合によって、これまでにない成果が生みだされると言っても過言ではない。さらに、従来大学内に とどまっていた研究の成果を迅速に社会に対し発信することが出来るようになり、伝統産業の活性化や新しい領域での企業化も目指すことが出来る。このことは、 ひいては地域との連携をこれまでより強化することにも繋がり、地域と連携した新しいタイプの研究を実現することにもなる。情報技術の面でも、これらの研究を通じて 、従来とは異なった角度での新しい領域に踏み込んでいくことが可能であり、世界に先駆けた研究成果を発信することが出来る。こうした活動を我々は、 広義のエンタテインメント(知的協調空間)活動と見立てた。ここから、活気的な研究成果や教育手法を数多く生み出していきたい。

まず、本学史学専攻が中心となり、以下の5つのテーマを中心に研究を推進する。宗教・思想学問史 典籍・文書・出版・デジタルライブラリ研究 伝統工芸・産業史 芸能誌・舞台空間研究 産業・文化開発都市京都の研究。これらのコンテンツ研究に共通するのは、現場主義・現物主義の実証主義であり、 京都にあるさまざまな分野の芸能・工芸技術保持者、神社仏閣の関係者などにも共同研究者として参加を要請する。これを踏まえて、 本学がこれまで収集してきた当該分野の資料のデジタルアーカイブ化を推進し、まもなく訪れるWeb放送時代を見据え、文化財のアーカイブ化とWeb発信技術を蓄積し、 画像・映像のコンテンツの情報処理技術やWeb配信システム技術の面でも先端を目指す。GISやバーチャルリアリティを用いて、歴史時間軸も備えた京都のバーチャル空間を構築し、 「Kyoto Virtual Time Space」システムとして、京都特有の高度で繊細な芸術・文化表現を公開・発信する。 また、京都には数多くの文化実践の場がありそのいくつかにサテライト研究室を確保し、リアルタイムで情報の受発信を行う。 これらの研究の情報基盤と先端的技術開発は理工学研究科の教員が担い、システムの構築を行う。これを利用して人文学系の研究者はコンテンツの蓄積・活用を行い、 高速ネットワークを介して情報の受発信を迅速に行う。また、海外研究機関との連帯を強め、さまざまな研究・教育面でのネットワークの構築と研究者の交換などを通じて、 全世界へ研究成果を発信するだけでなく、京都や日本特有の伝統ある有形・無形の文化・アート研究を公開できる、より高度でインタラクティブなエンタテインメント空間を構築しながら、 世界規模の共同・強調研究を実施する。


[ 図1] コンセプトイメージ



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1、デジタルコンテンツアーカイブの推進
デジタルコンテンツの蓄積活動を推進する。有形・無形共に多くの貴重資料を、デジタル化し「Kyoto virtual time space」上への配置を可能とする。
[ 図2 ] 




(例1) イギリス/ヴィクトリア&アルバート博物館
3万枚を超える浮世絵をデジタルアーカイブ化、WEB公開までの共同研究を実現



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(例2) モーションキャプチャによる身体動作の情報処理
舞踊動作の解析 → 能楽CGの作成



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2、VR・モーションキャプチャ等コンピュータグラフィック系アーカイブの研究
コンテンツ素材活用強化と高度なエンタテインメント性を確保する応用システムの高度技術開発を行う



(例3) テキストマイニングと文書からの特徴抽出技法にてイギリス特許取得
研究成果による技術「3次元画像ボリュームデータの表現方法」「布の反射モデル」にて国内特許出願中

 

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3、GISシステム応用
WEBGISとのシームレスな連携の実現に力を入れ、CAD的なモデルが、 GISシステムに載ることにより、街並や景観と文化デジタルアーカイブを連動させる。 これらの研究により「Kyoto Virtual Time Space」の発信が可能となるが、3次元のデータが掲載できる オープンソースとして公開されている地理情報システムを活用した実証研究が行われることで、 他分野との連携研究を一気に加速させる。


(例4)京都バーチャル時・空間の実現



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4、情報基盤研究
メデイア技術を使った新ソフト開発など新産業を生み出す可能性および デジタルアーカイブされた約50万件のコンテンツの活用と応用に力を入れる

[ 図3] 京都バーチャル時・空間をプラットフォームとしたデジタルアーカイブの発信





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