せり上げには、麻でできたロープを使い人力で引っ張り上げていた。そのため、電動のようにすーっと上がるものではなく、奈落でよいしょよいしょと巻き上げて引っ張っていた。しかしこれは案外芝居を非常に効果的に盛り上げていたのだ。この絵でも床下に人が見えるのが分かるだろう。ここで人が引っ張り上げることで、歌舞伎に味がでたのだ。電動式になった今、このようなぐっぐっと上がる演出はできなくなってしまった。(坂x)
【参考文献】
【参考文献】
服部幸雄著 『歌舞伎をつくる』 1999年 青土社
釘町久磨次著 『歌舞伎大道具師』 1991年 青土社
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