C3 金時の子 坂田金平

『坂田金平』

絵師:歌川豊国〈1〉 判型:細判錦絵
出版:寛政後期(1794~1801)
所蔵:立命館ARC  所蔵番号:arcUP5038.

【解説】
 金時の幼年時代について文献に出てくるのは寛文年代に流行した金平浄瑠璃が最初である。金時を山姥または鬼女の子としており、金平を山姥の孫としている。金時の幼年時代の再現として金平浄瑠璃の主人公金平が生まれた。この金平が天下の平安を平定するという内容である。金平は強敵や妖怪に勇敢に立ち向かい、それに打ち勝つという怪力の持ち主であり、その性格は無邪気で豪快な人物に作られている。
 またこの作品から見てわかるように金時ではなく金平であるにもかかわらず朱色の肌を持ち、「金」の一文字を抱えている。この姿は金太郎と重なるものがある。金平浄瑠璃で造形されていった金平の英雄的なイメージは、金時の幼年時代のイメージにつながっているのである。金平浄瑠璃の金平のイメージは時が経ち、金平浄瑠璃の人気が下降していくにつれて父金時幼年時代のイメージの中に吸収されて成長していったのである。(宮)