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2007年06月14日

●赤間プロジェクト研究発表

【論題】
「西沢一風の春本と浮世草子の関連性―『好色極秘伝』について―」
【発表者】 石上

【要旨】                                                                西沢一風作の春本には、管見の限りでは『好色極秘伝』(元禄十二年頃刊)と『風流足分船』(宝永七年刊)の二作品が確認できる。『風流足分船』が一風自身の浮世草子と関連性が強いことは既に述べたが、『好色極秘伝』においても同様のことがいえる。野間光辰氏は、生瀬川の尼殺しの描写について、『新色五巻書 』( 元禄十一年)と『御前義経記』( 元禄十三年刊)、及び『好色極秘伝』が、歌祭文を介してほぼ同じであることを明らかにした。しかし、この他にも一風作とされている『色茶屋頻卑顔』(元禄十一年刊)や『寛濶曽我物語』(元禄十四年刊)と題材の一致や文辞の類似がみられることから、『好色極秘伝』が少なくとも前後する四作品の浮世草子と関連性があることが確認出来る。
 本発表では、本書と四作品との表現を比較し、その関連性を読み解く。また本書の本文・挿絵の特徴的な形式を検討することで、一風の春本制作の手法を明らかにしたい。

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