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修補と補修

遠藤諦之輔さんの『古文書修補六十年』を読んでいてふと思った。
私はいつも「補修」と言っているけど、「修補」とどう違うの?

『日本国語大辞典』(小学館・2001年)で調べてみると、
「補修」は、いたんだ部分を補いつくろうこと。手入れすること。
「修補」は、つくろいおぎなうこと。足りないところや欠けているところを
                  おぎなってよくすること。修理。補修。しゅほ。

とあった。
他に、似たような言葉で
「修復」は、つくろい直すこと。修理して元の形にもどすこと。しゅふく。
「しゅふく」は、つくろい直すこと。破損した箇所をつくり直すこと。修理。修繕。しゅうふく。
「修理」は、こわれた所や悪い所をつくろいなおすこと。修繕。修復。
「修繕」は、損じたり悪くなったりしたところをつくろいなおすこと。修理。修復。しゅぜん。

どれも似たような意味である。使い分けされている理由はないのか?と探していると、
『防ぐ技術・治す技術 : 紙資料保存マニュアル』 (日本図書館協会・2005年)に
『ALA図書館情報辞典』だけが、補修の項目を採録し,以下のように定義している。
「材料の取換えや本体の表紙からの分離を伴わない。
図書の小規模な修理、修繕のような完全な再生ではない。」
とあり、「修繕」については
「使い古された図書を部分的に修復すること。修繕に要する仕事量は再製本より少なく、
補修より多い。修繕は、表紙の修復、のどの強化といった作業を含む。
補修と混同しないこと。」
と定義されているそうだ。

そして、1986年に刊行された『IFLA資料保存の原則』に記載の
修復(restoration):経年、利用等により損傷した図書館・文書館資料を技術系職員が
            修補する際に用いる技術と判断。
を挙げている。

これによると、概念としては、
再製本>修繕>補修
修繕>修復>修補 
ということはわかるが、
「補修」と「修補」の違いはわからなかった。
みんな、これらの言葉をちゃんと意味がわかって使いわけているのかなぁ?
誰か知っている方がおられたら、教えてください。

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コメント

同じく今この2つの違いで悩んでいます。
なんか違いがあるのかなぁと、ネット探してたどり着きました。

やっぱり、同じ意味として使っていいですよね?

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