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ひつじ


画題

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解説

東洋画題綜覧

羊は哺乳動物中、双蹄類反芻類中羊族に属する動物で、現今世界的に広く飼養されてゐる緬羊の祖先とは唯一種といひ、数種あるとの説もある、高さ二尺、長さ三尺位を普通とし牡には角があり螺旋状を呈し牝には角無く、全身白又は黒、雑斑のものもある、性は順良怯弱常に飼つてその毛を採り、以て布を織る、肉も食用となるため、羊に関する故事や熟語も少くない。山羊はその一種である、画題としては、石を打つて羊とした黄初平や、朔北の野に羊を牧せしめられた蘇武、羊を飼つては富をなした白石生など、皆知られてゐる、その項を見よ。

羊を画いたものでは、京都東福寺なる山楽筆の杉戸が名高く、鳥羽覚猷の『鳥獣戯画巻』にも羊が現はれるし、葛飾北斎には『樹下遊羊』の作があり、森狙仙にも緬羊の作がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)