心中天網島

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しんじゅうてんのあみじま


総合


歌舞伎

浄瑠璃、三段、世話物。享保五年(1720)12月大坂竹本座初演。近松門左衛門作。同年の秋大阪網島の大長寺で起こった、紙屋治兵衛と紀の国屋小春との心中事件を直ちに脚色した物。現在はこれを改作した「心中紙屋治兵衛」(紙治)がよく上演される。場面の構成にすぐれ、人物の性格描写も巧みで、近松の傑作の一。上方の和事系の代表的な作品で、初世中村雁治郎の当り芸だった。 享保六年(1721)6月江戸森田座で歌舞伎化。この時の紙屋治兵衛を演じたのは二代目市川団十郎。「河庄」や「紙屋内(炬燵)」は、近松半二による「心中紙屋治兵衛」やそれが増補された「天網島時雨炬燵」による。

人物関係図

あらすじ

大坂天満の紙屋の主人治兵衛は曽根崎新地の河庄の遊女小春と深い仲になる。治兵衛の女房おさんは、小春に夫と別れて欲しいとう手紙を出す。治兵衛の兄孫右衛門も侍に変装し小春に会いにくる。治兵衛は、とぼとぼと小春に会いきて、玄関先で孫右衛門が治兵衛のことを思い切るように頼んでいるのを聞く。小春は、おさんの気持ちをくみ、偽りの愛想づかしをして治兵衛と別れる。 小春が恋敵太兵衛に身請けされるときたおさんは、小春は死ぬ覚悟であると察し、女同士の義理のため、小春を身請けすると主張する。おさんは堅物の父五左衛門によって実家に連れ戻される。小春と治兵衛は、網島の大長寺で心中して果てるのだった。