巻談宵宮雨

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こうだんよみやのあめ


総合


歌舞伎

宇野信夫作。昭和一〇年(1935)六世尾上菊五郎(竜達)六世大谷友右衛門(虎鰒の大十)らにより初演された。 女犯の罪で晒し者にされて、今は甥の太十の家に厄介になっている目黒妙蓮寺の悪僧竜達には、以前寺に埋めてきた百両の金がある。太十は竜達に頼まれてその金を堀り出したが、もともとその分前が目当なので、礼金の高から喧嘩となり、竜達を毒殺しその死骸を川へ投げこむ。竜達の娘おとらは身投をして死ぬ。竜達の恨みは幽霊となって現われ、太十の女房おいちをとりころし、太十を丸太橋から川へひきずりこんでしまう。 菊五郎の巧緻な生世話芸により、竜達という坊主のくせに女たらしで、金に異常な執着を持つ嫌味な人物を見事に浮彫にして見せ、絶讃を博したもの。作者の「吹雪峠」につぐ第二作で、菊五郎と結んだ最初の作品。これが出世作となって、以後新世話物作者として、多くの傑作を残すことになった。