山伏摂待

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やまぶしせったい


画題

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解説

東洋画題綜覧

源義経主従十二人、頼朝と不和となり山伏姿に身をやつして奥州へ下向、陸奥の国信夫の郡なる佐藤継信、忠信が家なる佐藤の館に山伏摂待の高札を見て侍らふ、佐藤庄司の後家と継信の遺子鶴若が出でて摂待する、能の一番摂待である、シテは継信の母即ち庄司の御家、子方鶴若、ツレ義経同山伏、ワキ武蔵坊弁慶、宮増の作である、一節を引く

「かく心もなき人々に、さのみ言葉をつくし給はんより今は早御内へ御入り候へ、「暫く候ふ、誠継信の御子ならば判官殿とおぼしきを指し候へ、「承りて候ふとて十二人の山伏の皆御顔を見渡して是こそ其にておはしませ、「扨其にてあるべきとは何故に仰せ候ふぞ、「いや如何に包ませ給ふとも、人にかはれる御粧ひ、疑もなき我君よ、「地給べのうとて走り寄れば、岩木を結ばぬ義経なれば、泣く/\膝に懐き取る、実にや栴檀は、二葉よりこそ匂ふなれ、誠に継信が子なりけりと、よその見る目まで皆涙をぞ流しける。

「今は何をか隠し申すべき、我君にて御座候ふ、此上は御座を直され候へ、老尼も近う御参り有つて御目にかゝり申され候へ「あら有難や候ふ、「実に/\尤にて候「如何に申上げ候ふ、継信が八島にての最期の有りさま、剛なりと申し、又不覚なりとも申す何れが誠にて候ふやらん承りたく候ふ、「如何に弁慶、「御前に候ふ、「継信が八島にての最期の様を委しく語りて老尼に聞かせ候へ、畏つて候ふ(下略)

これを画いたものに、新井勝利筆『山伏摂待』(日本美術院出品)がある。      

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)