尾花

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おばな


画題

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解説

東洋画題綜覧

秋の七草の一、乎花、又すすきの別名である、禾本科の多年生草本で、山地原野に生ずる、年々宿根から茎葉を生じ、高さ四五尺に達し辺縁殊に粗な大葉を生じ、茎頭から長い穂をなし枝を分つ、尾花といふのは、此の花、動物の尾に似てゐるからといふ。昔は此の草を以て、家根を葺くに用ひたといふ。

夕月のほのめく野辺を見わたせば尾花なびきて秋風ぞ吹く  小沢芦庵

袖かへる遠方人は分け過ぎてのこる尾花に秋風ぞ吹く    藤原隆祐

此の尾花の根際に寄生する植物に『なんばんぎせる』がある、小首を傾けてゐるやうなので『おもひ草』といふ。

尾花はよく知られて居る草で、月下にこれを画いたり、秋の虫を点じたり、花鳥画として描かるゝもの挙げて数ふべからず。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)