和歌懐紙

02 法華経要文和歌懐紙 一巻 重要文化財 (二八、二×九八四)
法華経各品の大切な文章を取り出し、それに因んだ法楽の和歌を詠んだ懐紙で、光厳院をはじめとして、
広義門院・徽安門院・尊円法親王など一九名、二三枚の懐紙を一巻としたものである。懐紙の大きさはそれぞれ異なる。
光厳天皇(一三一三〜六四)は在位一三三一年〜三三年。後醍醐天皇が倒幕を企て、
発覚後、笠置に逃れたあと、剣璽渡御のない異例の践祚となった。
また一三紙目には「兼親」の署名があり、「新院」の付箋が貼られている。
これにつき岩佐美代子氏は崇光院(一三三四〜九八、在位一三四八〜五一)が「兼親」の隠名で出詠したものとしている。
法華経要文和歌懐紙は、藤井永観文庫本のほかに妙満寺本・常照皇寺本・中村記念美術館本がある。
その成立事情は不明だが、文和三年(一三五四)一一月の花園天皇七回忌追善供養の際のものである、との説が有力である。

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