茉莉花
まつりか
画題
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解説
東洋画題綜覧
熱帯に生ずる木犀科の灌木で、やゝ纒繞性を帯ぶ、葉は茶に似て円く対生、印度の原産で江戸時代に渡来した、花は白色で単弁と重弁とあり、散り際に黄色となる、香気馥都、昔支那では此の花から香料を採り、また花を糸もて綴り首飾りとしたといふ、丁香、梔子花と共に『梵侶図』の画題となり、蘭、桂花と共に『三香』に数へられ、梅、百合、菊、桂花、水仙、梔子花と共に『七香』となし、宋曽端伯の『十友』には『雅友』、新添の『二十客』では『神客』といふ。
茉莉 葉廷珪
露華洗出通身白、沈水薫成撫骨香、近説根苗移上苑、休慙系出本南荒。
同 趙福元
刻玉雕瓊作小葩、清姿原不受鉛華、西風偸得余香去、分与秋城無限花。
『名花十友』として画かれ、『七香』として画かるゝも此花のみ画かれることは稀である。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)