鶲
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ひたき
画題
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解説
東洋画題綜覧
鶲と名のつく鳥に常鶲、瑠璃鶲、野鶲、黄鶲、さめ鶲、こすめ鶲、えぞ鶲などがある、絵に最もよく現はれるのは常鶲と黄鶲で、常鶲はつぐみ科に属し、黄鶲はひたき科である、常鶲は尉鶲とも書く、頭から背にかけて灰色を呈するからで、翼の中央に白色の斑があるので紋付鳥の名もある、尾羽は中央の二枚が黒く他は褐色、胸から腹へかけて橙黄色、雌は淡褐色で頭から背にかけて黒褐色を呈す、冬鳥で十月頃に現はれ四月の末頃には去つてしまう、黄鶲は頭から背、尾の先が黒く、顔には黄色の眉がある、瑠璃鶲は小形で美しく背は暗青色、上尾筒、雨覆の一部が空色、風切羽と尾羽が褐色、外縁だけが青い、雌は背がオリーブ色である。
ヒタキの語源は火焼で燧石で火を打つ音に鳴く音が似てゐるからといふ。
花鳥画として此の鳥はよく描かれるが、此の鳥の名をそのまゝ画題にした作は見当らない。金島桂華筆の『瑠璃鶲』など珍らしい。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)