津守吉祥

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つもりの きさ


画題

画像(Open)


解説

前賢故実

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冠位は大山下。斉明天皇五年、遣唐使副使に任ぜられた。船で中国へ向かう途中、強風に遭い、数日の漂流を経て余姚に辿り着いた。そして陸路で進み越州に至った。その時、唐の高宗は東京にいるので、吉祥は馬に乗って東京に入った。そして、唐に送る蝦夷を連れて高宗に拝謁した。高宗は「日本の天皇は平安でいらっしゃるか。」と問い、吉祥は「天地の仁徳に合っているので、天皇は平安でいらっしゃる。」と答えた。高宗はまた「日本の国内は平安でいらっしゃるか。」と問い、吉祥は「天地を讃え治められている国なので、万民は無事でいらっしゃる。」と答えた。さらに、高宗は「日本の群臣たちは、国のために尽しているか。」と問い、吉祥は「慈愛に満ちた天皇がいるので、群臣たちは相変わらず国に尽している。」と答えた。最後に、高宗に「蝦夷というところは、どのような風習があるか。」と聞かれて、吉祥は詳しく申しあげた。高宗は吉祥を可愛がっていた。

(『前賢故実』)