殷湯解三面網

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いんとうさんめんのあみをとく


画題

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解説

画題辞典

殷王成湯、子姓、名は履、夏の桀王、暴横無頼、忠諌のものを殺害せるを聞き、大に嘆く、尋いて湯一たび桀の為めに囚われしが、釈されて国に帰り、野外に出づ、其時猟者の四面に網を張り、之を祝して、天より降り、地より出て四方より来るもの、皆吾が網に罹れというものあるを見、湯、嘻之を尽せりと言い、その三面を解き、改めて祝して曰く、左せんと欲せば左せよ、右せんと欲せば右せよ、命を用いざるもの独り我か網に入れと、諸侯此言を聴き、湯の徳至れり、禽獣に及ぶとして洽然之に帰服す、是に於て伊尹を相として桀を伐ち之を南巣に放ち遂に天子となる。

京都西本願寺所蔵に狩野興以画くものあり。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

殷の湯王の徳、禽獣にまで及んだといふ故事、ある日野外に出ると猟師あつて四面の網を張り天より降るもの地より湧くもの、悉く我が網にかゝれといふ、湯王これを見、その三面の網を解き右するものは右せよ、左するものは左せよ、命を用ひぬものは我が網に懸れといふ、重臣これを聞き、湯王の徳禽獣にまで及ぶと祝し合うた。

湯出、見有張網四面、而祝之、曰、『従天降従地出従四方、来者、皆罹五網』湯曰『嘻尽之矣』乃解其三面改祝曰、『欲左左、欲右右、不用命者入吾網』諸侯聞之曰『湯徳至矣、及禽獣』伊尹相湯伐桀放之南巣、諸侯尊湯為天子。  (十八史略)

これを画いたものに狩野興以の作(西本願寺蔵)がある。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)