B2.1 美人と名所(夏).

作品名:「都名所之内」「四条河原夕涼」
絵師:貞信〈2〉(小信〈1〉)
判型:細判錦絵(横絵)
出版:明治6年(1873)頃 田中安治郎
所蔵:立命館ARC(arcUP8023)

上方絵では、江戸期には長らく役者絵が中心だった。父の初代貞信は、江戸の広重〈1〉に倣って大阪や京都の名所絵も描いた。二代貞信は、さらにジャンルを広げて描くようになるが、美人画もその一つで、佳品が残る。本作品は、細判横絵による「都名所」もその一つで、父の「都名所」と違い、美人を配することで名所絵と折衷した魅力を出した。中判よりも細判を横に使うことで風景画としての広がり出したのも工夫である。(あ)