A5.2 徳力富吉郎「陶工六兵ヱの家」板木(主板)

作品名:『創作版画京洛三十題』のうち「陶工六兵ヱの家」板木(主板)
所蔵:立命館ARC(arcMD01-0661)

昭和11年(1936)に内田美術書肆から刊行された徳力富吉郎『創作版画京洛三十題』のうち「陶工六兵ヱの家」の主板。裏面は色板になっている。『京洛三十題』は、自身が「職人を自由に駆使した作品」の一つと述べているが、自画自刻自摺の版画のみが創作版画とみなされる風潮の中で、あえて「創作版画」を冠したところに、「絵師、彫版師、摺師、三者合作の版画も芸術たりうるの主張」を曲げなかった富吉郎の意志が表れているのであろう。
参考:「私の版画歴」(『日本の版画』、河原書房、1968)

板木 裏面『創作版画京洛三十題』(立命館大学図書館西園寺記念文庫所蔵)