A3-5 東海道四谷怪談 火炎車の場面

「仮名手本忠臣蔵」「東海道四谷怪談」
判型:中本
上演:文政8年(1825)7月27日中村座(江戸)
演目名:「仮名手本忠臣蔵」「東海道四谷怪談」
所蔵:立命館ARC 作品番号:arcBK03-0094-045.

【解説】
 絵本番付とはそれぞれの主な役名・役者名などを書き入れながら序幕から大詰めまでの場面を描いた小冊子のことである。
 本図の左中ほどに火炎車に乗ったお岩の姿があるが、その手には何もないことにお気付きだろうか。この火炎車の場面はよく描かれた一方で、細部の描写は一定していなかった。(浅)

辻番付「仮名手本忠臣蔵」「東海道四谷怪談」
上演:文政8年(1825)7月26日中村座(江戸)
演目名:「仮名手本忠臣蔵」「東海道四谷怪談」
所蔵:ボストン美術館 作品番号:11.27560

MFA Boston 所蔵 辻番付

【解説】
 辻番付は現在のポスターのような役割を果たすもので、数種の看板の内容を芝居の宣伝用に一枚の紙へ集約したものである。湯屋や床屋などの人が多く集まる場所に張り出されていた。
 本図右側の見出しに大きく「仮名手本忠臣蔵」とあり、中央左寄りに「東海道四谷怪談」とある。わかりづらいが絵にはお袖を引き上げるお岩が描かれ、地上では伊右衛門と与茂七が対峙する最期の場面が描かれている。