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「京都ニュース 京都のみず 京都市広報課」わたくしたちの暮らしに欠かせない水。毎日何気なく使っている水。人間の文化は水とともに作られ、水と共に進んできたとも言えます。京都の水の故郷は日本一の湖、琵琶湖。琵琶湖の水は、大津・三保ヶ崎の取り入れ口から第一疏水、第二疏水を流れて京都の浄水場へ導かれていきます。わたくしたちの使う水のほとんどがこの疎水を流れているのです。疎水はわたくしたちの祖先が残した大きな財産。同じく明治にできた蹴上浄水場は今日も元気に働いています。 ...(※1日の使用水量) この10年の間で水を使う量は2倍になりました。 ...(※市内の浄水場) 今、140万人の市民の水をつくるため、市内には6つの浄水場があります。 ...(※浄水工程) 琵琶湖から流れてきた水は浄水場で磨かれて、家庭でそのまま飲める水に仕上がるのです。まず高速沈殿池で細かい濁りや細菌を沈ませます。次には濾過池。ここでは砂や石の間を通ってきれいに濾されます。濾された水に塩素を入れ消毒して出来上がり。いくつかのパイプを通って配水池へ流れます。こうした仕事を間違いなく進めていく中央管理室。全てがボタンで動き、人手はあまりかかりません。水を市内の高い所へ送るためには、ポンプで圧力をかけなければなりません。また、安心して飲んでいただけるように毎日精密な検査もしています。このようにして、わたくしたちの家庭に届けられる水は1日44万t。一方水道料金は1t24円ですが、水を作るのは今でも29円かかり、これからはだんだん高くつくことが予想されます。 水道事業も法律で独立採算制となっていますので、この赤字が積もり積もって京都市の水道事業は今年の3月末には18億円の赤字が見込まれています。 ...(10円で作ることのできる水の量) 水は急にたくさんいるからといって、すぐに間に合うものではありません。10年先、20年先を見通した設備が必要。3年の月日と84億円をかけた山ノ内浄水場は、日々20万tの水を市内に配っています。どんどん郊外に建っていく住宅。電気水道完備ガス見込と、水道は家になくてはならないもの。そのための拡張工事は今日も続けられています。大切な水も途中で漏れては大変。毎晩私たちが寝静まってから、ふくろう部隊の出動。地面に聴診器を当てて地下の水漏れを調べます。最近は、目方の多いダンプカーやトラックが通るため、どうしても壊されやすい配水管。どうも怪しいとマンホールの中にも潜ります。コレステロールが溜まって水圧が下がったり、赤い水が出たりする市内中心部の配水管。全面的に取り替えるより手はありません。それには1年に7億円ずつもかかります。どんどん増えていく水の需要に間に合わそうと、京都市では今、新山科浄水場を建設。総工費58億円をかけて、昭和45年完成を目指して着々と進められています。わたくしたちの水をわたくしたちみんなの問題として取り組み、解決して行くことが望まれています。
京都のみず(90-2)