深みゆく秋と共に~高尾、泉涌寺、六波羅密寺(6-1)

「京都ニュース 深みゆく秋と共に」
深みゆく秋と共に私たちの京都ほど名所集積に恵まれた土地はあまりありません。深みゆく秋とともに紅葉もだんだん色づいて、行楽客で賑わうここ、高尾。聞こえてくるさんざめきの音も、春とはまた異なった趣があります。京都千年の歴史は洛中洛外至る所に美しい伝統の花を咲かせています。そしてそれは人々にあまり知られていないところにも。ここはその一つ、洛東泉涌寺です。自然泉涌寺道から東へ約一丁入ると、木々が影を落とし、静寂そのものの境内に入ります。その泉涌寺は四条天皇以来皇室との関係深く、格式の高いお寺です。白砂を敷き詰めた謹厳そのものの霊明殿。そして、玉座のある御座所庭園など、ここを訪ねる人は思わず襟を正します。またここには唐の玄宗皇帝が楊貴妃を追慕して作らしたという楊貴妃観音像があります。いまにも微笑みかけそうなこの艶麗な像は湛海律師?によって唐から伝えられたものです。剰余(?)の木造釈迦立像を安置する大仏殿のこうていじ?も見逃せないもののひとつでしょう。この泉涌寺も11月中旬から観光バスの定期コースとなり、皆様に親しんでいただけることになります。ここは泉涌寺とはがらりと環境の変わった六波羅蜜寺です。あまり(?)せいで、知る人は多くありませんが、堂内奥深く安置された十七面観音は延暦五年の作といわれるものです。そしてまた、鎌倉時代の優れた肖像彫刻のひとつとされている空也上人像。このほか、鎌倉時代の高名の仏師運慶・湛慶の作など有名な彫刻作品が数多くあります。