C10大正の芝居ポスター

辻番付「仮名手本忠臣蔵」
上演:大正12(1923年)年11月11日京都・明治座
外題:「仮名手本忠臣蔵」
資料番号:arcSP02-0126 所蔵:立命館ARC.

【解説】
 大正期の辻番付である。 辻番付は現在のポスターのような役割を果たすもので、劇場前に設置されていた数種の看板の内容を芝居の宣伝用に一枚の紙に集約している。髪結床や風呂屋といった人が多く集まる場所に張り出されていた。また、劇場や役者、芝居見物の客を世話する芝居茶屋から、役人や贔屓へ配られるものでもあった。江戸時代は役割番付が主流であったが、近代に近づくにつれて辻番付の需要も増える。
 明治後半になると新派や新劇といった歌舞伎以外の演劇が登場し、辻番付の形式も変化する。大正期に入る辻番付に色が付く場合もあり、より一層現代のポスターの感覚に近いものを感じることができる。(青)