東海道分間絵図

作者:遠近道印、菱川師宣

時代:元禄3(1690)年以降刊行

形式:折本五帖

巻数:5巻

巻一:江戸日本橋~小田原

巻二:小田原~府中

巻三:府中~吉田

巻四:吉田~亀山

巻五:亀山~京

 「分間」とは土地の高低や距離を測量する意の語で、「分間絵図」とは地勢や里程を図示する地誌のこと。によれば道印は道法分間に計算して、風景・村・馬次・家並・名所・旧跡・山川・海道を微細に考えて板行したが、これを師宣に清書を乞い、挿図に風俗を加味して、「高位の簾中下劣の女童に至迄」理解しやすく作製板行、流布したとある。縮尺は「三分壱町之積り」(1万2千分の1)である。海道を中心として、左右の景色・町並・寺社・一里塚・橋・人馬を描き、地名を記入し、宿場には里程・問屋・駄賃および土産をも記載してある。元禄三年新和泉町板木屋七郎兵衛刊、同十六年江戸万屋清兵衛板などの後刊本がある。遠近道印については諸説あるが、富山の藤井半知とする説が有力視されている。

参考・おすすめ書籍・サイト

冨士昭雄校訂『東海道名所記/東海道分間絵図』(国書刊行会・2002)

朝倉 治彦「東海道分間絵図」『国史大辞典』(「JapanKnowledge」,https://japanknowledge.com )

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