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【テーマ設定】
インタビュー計画概要:
海洋堂の「センム」として日本のガレージキットシーンを牽引してきた宮脇修一氏に対し、一模型店が世界的な造形メーカーへと変貌を遂げた軌跡を記録するものである。世界最大の造形の祭典「ワンダーフェスティバル」の主催者としての視点や、食玩ブームを通じた「フィギュア」の一般化など、ホビー文化が産業として成熟していく過程における宮脇氏の役割を明らかにする。
大テーマ:ガレージキットの誕生と海洋堂の変遷:ホビーを文化へと昇華させた経営と審美眼
中テーマと主な焦点:1.ガレージキット黎明期とワンダーフェスティバルの役割
1980年代、既存のプラモデルに満足できないマニアたちが自ら造形を始めたガレージキット文化の誕生に焦点を当てる。海洋堂がその受け皿となり、さらに「ワンダーフェスティバル」という場を提供することで、アマチュアの創作意欲をいかにして爆発させたのか伺う。当日版権制度の確立など、創作と権利の共生についてもお話しいただく。
2.小売からメーカーへの転身と造形師の組織化
一坪半の模型店からスタートした海洋堂が、いかにして自社で原型を制作し、販売するメーカーへと脱皮したのかを分析する。特に、宮脇氏の「模型審美眼」によって見出された個性的で卓越した造形作家たちを、組織の中でどのように処遇し、その才能を最大限に引き出したのか、クリエイティブ集団としての海洋堂のマネジメント手法に迫る。
3.チョコエッグの衝撃と「フィギュア」の一般化
2000年頃に巻き起こった「日本の動物コレクション(チョコエッグ)」を中心とする食玩ブームを再考する。それまで一部のマニアのものだった「フィギュア」という言葉と概念を、いかにして一般層や子供たちにまで浸透させたのか。その圧倒的な精巧さが社会に与えたインパクトと、その後の市場の変化について伺う。
期待される成果:
第一に、日本のサブカルチャー史において極めて重要な役割を果たした「ガレージキット文化」の成立過程を、当事者の証言として体系的に記録する。 第二に、個人の卓越した才能(造形師)をビジネスモデルに昇華させ、グローバルな評価を獲得するに至った「海洋堂モデル」の特異性を明らかにする。 最後に、アナログな「モノづくり」の価値が、デジタル全盛の現代においてどのような意味を持ち続けるのか、日本のコンテンツ産業の将来に対する重要な示唆を得る。
【参考文献】
あさのまさひこ.2007.『海洋堂マニアックス--おまけフィギュアブームを生み出した「世界最狂造形集団」の功罪』.竹書房.
あさのまさひこ.2002.『海洋堂クロニクル--「世界最狂造形集団」の過剰で過激な戦闘哲学』(オタク学叢書 VOL.10).太田出版.
樫原辰郎.2014.『海洋堂創世記』.白水社.
香川雅彦.2004.『海洋堂原型師 香川雅彦の世界』.講談社.
浅井俊裕、工藤健志,、松本教仁、 アートプランニングレイ 編. 2005.『造形集団海洋堂の軌跡 カタログ』.アートプランニングレイ.
小池一夫 監修.2013.『大阪芸術大学 大学漫画 Vol. 22』.小池書院. https://www.google.com/search?q=https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I023530882-00
CGWORLD編集部.2023.「特集:海洋堂 デジタル造形移行への挑戦」『CGWORLD』2024年1月号(vol. 305).
日本文芸社 編.2002.『海洋堂フィギュアコレクション--Official super catalogue』にちぶんMOOK.日本文芸社.
日本文芸社 編.2002.『海洋堂フィギュアコレクション:最新食玩から秘蔵コレクションまで--Official super catalogue2』にちぶんMOOK.
美術手帖編集部.2012.『村上隆完全読本 美術手帖全記事1992-2012』.美術出版社.
美術手帖編集部.2010.『美術手帖』2010年11月号.美術出版社.
BOME.2010.『BOME SELECTED WORKS 1983-2009』.有限会社カイカイキキ. https://www.google.com/search?q=https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010078044-00
宮脇修一.2002.『造形集団 海洋堂の発想』.光文社.
ワンダーフェスティバル実行委員会、株式会社海洋堂.2001.『ワンダーフェスティバル「リスタート2001」公式ガイドブック』.
宮脇修一
