加藤貞顕

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【テーマ設定】

インタビュー計画概要:

インタビューの主たる目的は、ベストセラー編集者としてのキャリアからデジタルプラットフォーム「note」の創業に至る経緯を辿り、出版ビジネスの構造的変化とインターネットにおける新しいコンテンツ生態系の在り方について、その思想と戦略を伺うことにある。

大テーマ:編集的視点はいかにしてインターネット上に『クリエイターの街』を構築したか

中テーマと主な焦点:

1.出版不況とインターネットへの希望(1990年代〜2011年)

加藤氏のキャリアの原点であるアスキーおよびダイヤモンド社時代に焦点を当てる。出版不況が叫ばれる中で『もしドラ』などのベストセラーを生み出しながらも感じていた業界の構造的課題(再販制度や委託制度の限界)と、1995年のインターネット到来時に抱いた「個人の時代」への予感について、その原体験と問題意識を掘り下げる。

2.「cakes」から「note」への進化とプラットフォーム設計(2011年〜現在)

株式会社ピースオブケイク(現note株式会社)創業後の変遷について伺う。プロのコンテンツを届けるメディア「cakes」での挑戦を経て、より広範なCtoCプラットフォーム「note」へと軸足を移した戦略的背景を確認する。特に、クリエイターが安心して創作できる「街」のような空間を作るために、ランキング機能の排除や課金システムの導入など、どのようなアーキテクチャ設計と雰囲気作り(カルチャー醸成)を行ったのかを検証する。

3.AI時代の創作と編集者の役割の再定義

生成AIの台頭がコンテンツ産業に与える影響と、その中での「note」の立ち位置について議論する。AIを脅威ではなく「創作のパートナー」として捉える視点や、情報過多の時代において重要性を増す「選別する(ディレクション)」機能としての編集者の役割の変化について、プラットフォーマーの視点から展望を伺う。

期待される成果:

本インタビューを通じて、従来の「本を売る」ビジネスから「クリエイターを支援する」プラットフォームビジネスへの転換点がどこにあったのかを解明できる。また、インターネット特有の課題(炎上や殺伐とした空気)を回避し、創作に適した土壌を育てるための社会工学的な設計思想(アーキテクチャ)の実例として、「note」の成功要因を言語化できると期待される。

【参考文献】

「活字の海で」, 『日本経済新聞』, 2012年10月14日, 朝刊, p. 21.

藤村厚夫, 「先読みウェブワールド」, 『日経MJ(流通新聞)』, 2016年5月2日, p. 6.

「ピースオブケイク テレ東HDが資本業務提携」, 『日本経済新聞』, 2019年8月2日, 朝刊, p. 12.

「活字の海で」, 『日本経済新聞』, 2024年1月20日, 朝刊, p. 30.

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