-
本ページで提示している関連資料の解説はこちらをご参照ください。
【テーマ設定】
インタビュー計画概要:
日本のインターネット黎明期において、独自の「ぬくもり」あるコミュニティ文化を築いた「はてな」の功績を振り返り、京都という拠点の意味、そして近藤氏が現在描く「ネットとリアルの共存」の未来像を探る。
大テーマ:「ぬくもりのあるネット文化」はいかにして作られたか ー「はてな」の軌跡、京都という土壌、そしてリアルとネットの未来ー
中テーマと主な焦点:1. 「はてな」の原点とコミュニティの設計思想
創業の経緯と「はてな」固有の文化が生まれた背景を掘り下げる。まず、父の調べ物を助けたいという個人的動機から生まれた『人力検索はてな』と、そこに宿るデジタルらしからぬ「ぬくもり」の正体に迫る。また、コミュニティの育成が意図的か自然発生的か、ユーザーのスタッフ採用などのインセンティブ設計についても問う。さらに就職氷河期世代として、「自分たちが欲しいものを作る」というビジョンに至った背景を明らかにする。
2. 挑戦と拡大:シリコンバレー、任天堂、そしてKADOKAWA
成長期における対外的な挑戦と連携を聞く。2006年のシリコンバレー進出の狙いと、撤退から得た教訓を振り返る。任天堂との『うごメモはてな』やKADOKAWA(川上量生氏)との『カクヨム』など、他社とのシナジーによる開発の裏側に焦点を当てる。数多くのサービスを生んでは終了させる「多産多死」を経て、いかに会社の方向性が定まったか、その変遷をたどる。
3. 「京都」というエコシステムとエンジニア文化
東京ではなく京都に拠点を置く理由とその優位性を解明する。KRP入居や京大生採用、ものづくりに適した環境など、京都を選ぶ合理的理由に加え、そこで事業を行うメリットを掘り下げる。近年、マネーフォワード等の他社も京都に集まる背景や、職住近接、伝統と技術が融合する京都という土地の特殊性について伺う。
4. 「その後」の視点:リアル志向とインターネットの未来
株式会社ONDでの活動と、これからのネット社会への視座を問う。『物件ファン』買収や新会社設立の意図、そして約10年前に語られた「リアルとネットの両立」の現在地を確認する。AIやVRが進化する現代において、「ぬくもり」や「人間らしさ」の価値がどう変化し、近藤氏の描く未来予想図の中でどう位置づけられるか、その展望を聞く。
期待される成果:
2ちゃんねる等の匿名掲示板とは異なる、はてなが作った「信頼とぬくもりのあるコミュニティ」の正体と、その構築ノウハウが明らかになる。また、東京一極集中ではない、「京都」という文化的土壌がITサービスに与える影響(独自性、持続性)についての知見が得られる。さらに、Web 2.0時代を牽引した近藤氏が、現在のAI・Web3時代にどのような「人間中心のインターネット」を描いているか、未来への指針が提示される。
【参考文献】
株式会社はてな.「はてな、任天堂株式会社とのパートナー事業『うごメモシアター』、『うごメモはてな』をリリース」.プレスリリース.2008年12月24日.
.https://hatena.co.jp/press/release/entry/2008/12/24/090737 近藤 淳也. 『「へんな会社」のつくり方: 常識にとらわれない「はてな」の超オープン経営術』. NTT出版, 2009.
近藤 淳也 監修. 『ネットコミュニケーションの設計と力: つながる私たちの時代』. 角川インターネット講座 5. KADOKAWA, 2015.
近藤淳也
