-
本ページで提示している関連資料の解説はこちらをご参照ください。
【テーマ設定】
インタビュー計画概要:
セガサミーホールディングス株式会社の里見治氏の経営者としての半生を振り返りながら、戦後の日本経済の発展とともに「娯楽産業」がいかに変遷し、その中でサミー、そしてセガサミーがどのような役割を果たしてきたのかを、当事者の視点から明らかにすることである。
大テーマ:戦後、日本が経済成長していくなかで「娯楽産業」とどう向き合ってきたのか。里見治氏が語る、セガサミー発展の歴史
中テーマと主な焦点:
1.黎明期:娯楽産業への挑戦と成長の軌跡
学生時代にバー経営を始めた際、当時の若者や大衆がどのような「娯楽」を求めていたかを問う。そこからゲーム機の販売・リース業へ、さらには製造業へと転身した理由、特に仕入れ販売に感じた「限界」とは何だったのかを明らかにする。また、「ある技術者とのご縁」から生まれたという『ソナーアタック』の開発秘話や、1970年代にブームを巻き起こした『アレンジボール』の大ヒットの要因について詳しく聞く。会社の倒産という大きな挫折を乗り越え再起する原動力と、社会的なマイナスイメージもあった中で娯 楽産業を貫いた信念にも迫る。
2.転換期:インベーダーブームと大川功氏との出会い
社会現象となった『スペースインベーダー』のヒットを当時どう捉え、サミーとしてどう対応したのかを尋ねる。そして、倒産の危機にあったサミー工業を救ったCSK創業者・大川功氏から78億円もの支援を取り付けた際の具体的な経緯と会話の内容に深く切り込む。その資金を元に、わずか3年足らずで全額を返済できた経営戦略とはどのようなものだったのか、また里見氏にとって大川氏がどのような存在であったかについても明らかにする。
3.飛躍期:セガサミーの誕生と総合エンターテインメントへの拡大
2004年のセガとの経営統合について、大川氏への「恩返し」という想いがあったという背景と、その際に社内の反対意見をどう説得したかを聞く。統合によって、セガの技術力・IPとサミーの開発力がどのような相乗効果を生み出したのか、その具体例を尋ねる。さらに、ゴルフトーナメントや野球部の創設、馬主としての活動など、スポーツエンタテインメントへ支援を広げる理由と、それらと娯楽産業との親和性についての考えにも迫る。
4.未来展望:変化する時代とこれからの娯楽産業
スマホゲームやeスポーツなど、多様化する「新時代の娯楽」に対してセガサミーとしてどう取り組むのかを問う。同時に、若者のパチンコ・パチスロ離れといった業界が直面する課題について、活性化のために必要だと考える変革を明らかにする。最後に、日本の娯楽産業を長年支えてきた経営者として、未来を担うクリエイターや経営者へ伝えたいメッセージを語ってもらう。
期待される効果:
このインタビューを通じて、里見治氏個人の経営史を軸に、戦後日本の娯楽産業が社会の変化とどう向き合い、発展してきたかの変遷を、具体的なエピソードとともに記録することができる。特に、サミーの創業からセガとの経営統合に至るまでの重要な経営判断や、大川功氏との個人的な関係が経営に与えた影響など、これまで断片的にしか語られてこなかった事柄の真相を当事者の言葉で明らかにすることが期待される。これは、日本の戦後経営史、産業史において非常に価値の高い一次情報となるだろう。
【参考文献】
セガサミーホールディングス株式会社. 『FUTURE』. 2013.
セガサミーホールディングス株式会社. 『アニュアルレポート2013』. 2013.
セガサミーホールディングス株式会社. 『CSRブックレット2019』. 2019.
セガサミーホールディングス株式会社. 『CSRブックレット2020』. 2020.
セガサミーホールディングス株式会社. 『統合報告書2024』. 2024.
「サミー・里見治会長がセガの経営にも本格的に乗り出した本当の理由」. 『月刊BOSS』. 2019年5月.
里見治
