A2-1-2 「ありつ竹沢寿命くらべ」「浦島太郎」「三浦大輔」「東方朔」「菊寿童」

作品名:「ありつ竹沢寿命くらべ」「浦島太郎」「三浦大輔」「東方朔」「菊寿童」
絵師:歌川国芳
判型:団扇絵/錦絵
出版:弘化1年(1844)
所蔵:舞鶴市糸井文庫(mai02e11)

画題にある「竹沢」とは当時独楽の見世物芸によって大活躍していた竹沢藤次を指したものである。国芳は他の絵師に比べ数多くの見世物絵を描いているが、その中でも多く竹沢藤次の作品を残す。独楽遊びといえば当時は独楽と独楽をぶつけて遊ぶ「けんか独楽」が主流であったが、その一方で見世物としても楽しまれた。見世物独楽の代表である博多独楽は揺れに強く、よく回ることから独特の進化を遂げ、手にとって移動させたり、刀や扇の先にのせて回すという曲芸を生み出した。現在の博多独楽は伝統工芸品の独楽をさすだけではなく、県無形文化財に指定されている伝統芸能をも指している。江戸時代には曲芸師が京都まで出向いて芸を披露し、大人気を博したそうだが、明治時代以降、博多独楽の芸は途絶えていた。それを初代・筑紫珠楽が復興し、現在では2代目の珠楽に独楽を作る技術と回す技術が伝えられている。(香川)

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