B3 権太のもどり.

作品名:「すし屋のおさと」「いがみの権太」「梶原景時」
上演:弘化4年(1847) 9月 江戸・ 河原崎「義経千本桜」
絵師:歌川豊国〈3
判型:大判錦絵 3枚続
所蔵:立命館ARC(arcUP0126~0128).

 鎌倉方から梶原景時が弥左衛門を訪れ、維盛の引き渡しを迫る。そこへ維盛の首を寿司桶に入れ、生け捕りにした内侍と六代君を引き連れ権太が戻り、梶原に差出す。権太には、褒美として頼朝の陣羽織が与えられるという場面を描く。(山)
 弥左衛門と母が生け捕られようとするその瞬間、権太は、維盛らを討取り、生捕ったとさ叫んで華道から現れるが、それを聞いた弥左衛門・母・お里は、気も狂乱する程驚く。しかし、その後、梶原が権太を誉め、陣羽織を渡すまで、お里の働く場は全くない。もしも、この場面で三人の登場人物を描くとすると、このあと自分の息子に刃の一撃を加える弥左衛門でなければならないはずである。