B2 鮓屋の段.

作品名:「義経千本桜 三段目切 すし屋の場」
出版:嘉永6年(1853)9月 江戸・蔦屋吉蔵
絵師:歌川国貞〈2〉
判型:大判錦絵 3枚続
所蔵:立命館ARC(arcUP5290~5292).

お里が心中立てに維盛とともに若葉の内侍と六代君を逃したこと知った権太が、あわてて小金吾の首が入った鮓桶を持ってあとを追う場面を描いている。左奥に見える提灯は梶原一行の近づきを表している。

また、維盛扮する弥助が頭に布を被せ身を隠す姿や、桶を持ち家を飛び出す権太と周りに散らばる下駄などから場面の臨場感が伝わる。(山)

鮨屋の場面で権田が二度目に登場するときの衣装は弁慶格子という文様が施されている。この格子柄はいなせな雰囲気を醸し出すものであり、格子文様の寸法にまでこだわられている。(濵田)