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2006年06月27日

●合羽摺に描かれたもの

 合羽摺に描かれたジャンルでは、美人画と役者絵が多い。また、美人画で描かれる対象は、京都の場合、祇園の芸妓・舞妓ということになるのである。
 京都の一つの顔として「祇園」が大きな存在となって久しく、現在では、祇園を抜きにしては「京都らしさ」の多くを失ってしまう程になっている。江戸時代、遊郭としての島原が次第に衰えをみせ、祇園の役割が次第に大きなものとなっていったが、江戸時代の祇園の歴史については、実はあまり委しく調べられたことがない。しかし、合羽摺に描かれた芸妓たちは、祇園が一つの最盛期を迎える文化文政天保期のものであり、歴史の空白をビジュアルな資料として埋めるものである。そして、アート・リサーチセンターにも、それが9枚所蔵されている。

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