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版木閲覧システム


日本文化研究班「日本版画・版本の美」プロジェクトでは、2007年度より版木デジタル化手法の試行錯誤を重ね、2008年度には約4000枚に及ぶ版木のデジタル化を行なった。そこでは特に版木の立体的な形状に注目し、版木の同一箇所を5パターンのライティングによってデジタル撮影することにより、複雑な版木の表面を記録することに成功した。2008年度以降はデータベース構築・閲覧システム構築にも力を入れている。版木閲覧システムは、5パターンの画像を切り替えて閲覧することができ、また版木の観察、版本との比較照合の両方を容易にするため、鏡像・正像を切り替えることができる設計としている。版木はその扱いづらさがネックとなり、従来十分な研究利用がなされてこなかったが、近日WEB公開されるこの版木閲覧システムにより、原物を持ち出さなくても高度な研究利用が可能となる。

版木の3D計測・モデリング


デジタル・アーカイブ技術研究班 田中弘美研究室提供

「日本版画・版本の美」プロジェクトでは、立命館大学情報理工学部田中弘美研究室との共同研究により、3Dスキャナを用いた版木の3次元計測を行ない、計測データを用いて3Dモデリングを行なっている。現在これらの計測データを用いて、仮想空間における版木の観察、仮想印刷などを試みている。展示品は3D裸眼立体ディスプレーを用いたデモンストレーション。表示されている版木モデルは展示№24Aの西川祐信画『絵本若草山』(F0054)である。

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