羅刹天像 らせつてんぞう
一幅、鎌倉時代
羅刹天像は十二天の一つで、世界の方角を守護する神々のうち、西南方面を守護する護法神で、かつ破壊・滅亡を司る神である。羅刹は梵語「ラークシャサ」の音写。この像の基本形は『別尊雑記』などによると、身に甲冑を着して白獅子に乗り、右手に剣をもって、左手は指を2本立てて剣印を結ぶものであるが、本図は白獅子には乗っていない。ただしこうした像様は、国宝「十二天屏風」(東寺蔵)の羅刹天像にもみられる。なお十二天屏風は伝法灌頂の儀式で用いられた。