木兎
ずく
画題
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解説
東洋画題綜覧
木兎は梟鴟科に属する猛禽類の一で、俗に羽毛の耳のやうに立つているのが木兎で、『みゝづく』と呼ばれ、頭部が円くして耳の無いのが『ふくろふ』となつているが学術的には区別が無い、又、『ふくろふ』の中でも『しまふくろふ』と称するものは耳羽を存している、一般に木兎と称せられている種類は『大木葉木兎』であり、普通の木葉木兎は、ブツポーソーと鳴くので仏法僧鳥と誤られていた、此の外に青葉木兎が居るし虎斑木兎といふのもある、此の鳥は昼間は多く眠り夜出でて野鼠など捕食する、羽毛は柔かで脚にも羽毛深く蔽ふている、これは活動に際して音を立てぬ為めであり、色は褐色で眼は大きく円い。
木兎は何となく愛嬌があり、その上益鳥なので、絵にはよく画かれる。
横山大観筆 『夜』 第九回院展出品
荒木十畝筆 『木兎』 第廿二回読画会出品
川崎小虎筆 『木兎』 第十回革丙会出品
川端竜子筆 『暮色』 個人展覧会出品
堅山南風筆 『斜陽』 第廿一回院展出品
橋本関雲筆 『新月』 芳美展出品
金島桂華筆 『木兎』 昭和九年尚美展出品
郷倉千靱筆 『水月の夜』 昭和八年個展出品
小杉放庵筆 『春宵』 昭和十年個展出品
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)
ずく「木兎」のこと、その項を見よ。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)