筑紫の飛梅
つくしのとびうめ
画題
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解説
東洋画題綜覧
菅家、太宰府におぼしめしたちける頃、
こちふかばにほひおこせよ梅のはなあるじなしとて春なわすれそ
とよみおき給ひて都をいでて筑紫にうつり給ひてのち、かの紅梅殿の梅の片枝飛びまゐりて、おひつきてけり、ある時、かの梅にむかひ給ひて、
ふるさとの花の物いふ世なりせばいかにむかしのことを問はまし
とながめさせ給ひたりければ、かの木、
先人於故宅、籬廃於旧年、麋鹿猶棲所、無主独碧天。
かく申したりけるこそ、あさましともあはれとも心も詞も及ばね。 (古今著聞集)
筑紫の飛梅のこと、北野天神縁起絵巻、松ケ崎天神縁起にも見え、古来土佐派の絵などに屡々見るところである。(北野天神松崎天神)
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)