麗娟
れいけん
画題
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解説
画題辞典
麗娟ば漢の武帝の愛人なり、年十四、其膚柔軟にして蘭香あり、其身軽く、衣を着くるを好まず、是れ衣の膚を傷くるを恐れしなり、歌ふ時は李延年の之に和するを常とせしが、芝生殿に廻風の曲を奏せる時、庭中の花之に應じて散りたりといふ、娟平素塵の体を汚すを恐れて、明離の悵中に居り、帝も亦或は衣帯を以て其袂を繋ぎ、二重の天幕中に幽せることあり、是れ風に随うて飛散するを恐れたる為めなりといふ 芥子園画伝に図あり。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
麗娟は漢武帝の寵妃、年十四、その肌柔かく蘭奢の香あり、その身が軽く衣を着けることを好まず、これ膚を傷つくるを怖るゝからである、そしてその歌ふ時は、李夫人の兄、延年が之に和するを常とした、曽て芝生殿に廻風の曲を奏した時は、庭中の花之に応じて散つたといふ、又、平素、体の塵に汚れるのを怖れ帳中にあり、帝また衣帯を以て其袂を繋いで風のために飛散するのを怖れたといふ。
その画像は『芥子園画伝』に載せてゐる。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)