赤不動
あかふどう
画題
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解説
画題辞典
不動明王の全身を赤色を以て彩りて画けるを以てかくいう。紀州高野山明王院の所蔵にて世に智証大師が横河葛河瀧に於ける感応を頭血を注いで画いたものと伝へて居る。爛々たる巨眼、強く結んだ口、厳然たる威容、勁さ恐ろしさ、如何なる悪鬼外道も摺伏せしめねば已まぬものがある。両側に侍立せる両童子は亦智と徳の具象を現はす、背後に燃ゆる火焔も亦物凄ぐ荘厳を極めて居る。蓋し崇高無比の大芸術と称ずべきであろう。尚不動明王の条参照せよ。
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
不動明王の全身を赤色を以て塗つてあり、極めて壮厳なる尊像として、高野山明王院所蔵円珍筆のもの著名であり、日本美術院の人々にて之を模すもの二三ある。
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)