鳴神
なるかみ
歌舞伎
歌舞伎十八番の一つ。 貞享元年(1684)に初演の「雷神不動北山桜」の一場面が独立したもの。中断していたものを二世市川左団次が復活した。歌舞伎の健康なエロティシズム、さらに聖僧から狂人のごとき堕落僧ヘの変化等、脚本構成の上でも見るべきものがある。 皇室に恨のある鳴神上人は、その法力で世界中の竜神を滝壺に封じこめ、天下はひでりとなる。そこで官廷第一の美人、雲の絶間姫をつかわし、色仕掛で上人を堕落させ、雨を降らせる。 沛然と降る雨の中、夢からさめた上人が、庵室の柱に手をかけ、憤怒の形相物すごきラストシーンは、柱巻の見得として有名。
画題
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解説
(分類:戯曲)
東洋画題綜覧
鳴神は本外題『雷神不動北山桜』で、謡曲の『一角仙人』から脱化したもの、時の帝に皇子がない為め鳴神上人に修法を乞ふて太子降誕を不動明王に祈らせ給ふ、霊験あつて太子御降誕あつたが帝は上人の為めに戒壇を北山に設ける約を果されぬ為め、上人は怒つて雨を一滴も降らさぬ、そこで美女雲の絶間姫をつかはし、色じかけで上人の心を迷はしめ行を破らしめる、雨は沛然として降つて来る。 (歌舞伎細見) (『東洋画題綜覧』金井紫雲)