舞楽
ぶがく
画題
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解説
画題辞典
舞楽は専ら舞踊を主とする音楽の一種にして、中古唐朝及三韓より伝來のものに、幾分の本朝の修色を施ぜしものにして、組織の壮大なると舗設の華麗なること、本邦諸楽に冠たるものなり、楽器には大鼓、鉦鼓、三管、羯鼓、三鼓あり、伶官概ね一曲に五十人を要す、舞手は特別の舞楽面を被り、唐装して舞ふ、文舞、武舞の別あり、又、平舞、走り舞の別あり、万歳楽の如きは文舞にして平ら舞なり、太平楽、蘭陵王の如きは武舞にして走り舞たり、古くより概ね宮中の宴遊に用ひらる、舞柴を図ぜるもの左の諸品あり。
舞楽図衝立障子鎌倉中期作(京都北野神社所蔵国宝)
俵屋宗達筆屏風(京都養源院所蔵国宝)
久隅守景筆屏風(因州池田侯爵旧蔵)
島千春筆屏風(東京帝室博物館所蔵)
(『画題辞典』斎藤隆三)
東洋画題綜覧
我が国上古及び中世に於て朝鮮、支那、印度から輸入されたもの。又は之に倣つて我が国で作つた舞曲で宮中及び特別の神社に於て保存され今日に及び雅楽と称されてゐるもの、これを左右に分ち、唐楽及び林邑楽(印度伝来の曲)を左舞、高麗楽を右舞といふ、舞には一人二人四人又は六人舞があり通常六人舞を大曲、四人舞を中曲、二人又は一人舞を小曲といふ、今日行はれてゐる曲目左の通り
振舞、皇帝破陣楽、団乱旋、春鴬囀、蘭陵王、賀殿、北庭楽、承和楽、胡飲酒、迦陵頻、胡蝶(胡蝶楽)、三台塩、万歳楽、裏頭楽、甘州楽、五常楽、倍臚破陣楽、春庭楽、喜春楽、央宮楽、感城業、蘇合香、万秋楽、秋風楽、輪台、青海波、採桑老、蘇莫者、秦王破陣楽、太平楽、散手破陣楽、傾盃楽、賀王恩、打毬楽、還城楽、抜頭、新鳥蘇、古鳥蘇、蘇合香、退走禿、納曽利(納蘇利)、長保楽、延喜楽、蘇利古、綾切、新靺鞨、敷手、王仁庭、貴徳、狛桙、埴破、胡徳楽、崑崙八仙、仁和楽、林歌、蘇志麻利、登天楽、白浜、地久、長慶子。
舞楽を画いた作は極めて多い。
筆者不明 鎌倉中期作 京都北野神社蔵
俵屋宗達筆 醍醐三宝院蔵
同 京都養源院蔵
久隅守景筆 池田侯爵家蔵
島千春筆 東京帝室博物館蔵
(『東洋画題綜覧』金井紫雲)