ArcUP0331

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「花菖蒲対の俳優」(Hanasyobu tui-no wazaogi)

3枚続。背景は、昇斎一景、人物は、豊原国周の筆になる。 明治5年4月から5月に売出された。

背景に五月の季節を代表する菖蒲を描き、それぞれが関係する花の模様の着物を着た5人の役者を描く。 本図は中央の一枚。他の二枚は、二人ずつ描かれているが、この絵が売り出された明治5年当時、圧倒的な実力を誇っていた中村芝翫(4代目 Nakamura Shikan)が「竜王の駒」(Ryu^o^no koma)という替名で、一人で描かれている。日本の将棋の用語で、最も力のある駒である「飛車」が敵の陣地に入ると実力をアップして「竜王」となる。中村家は、成駒屋(Narikoma Ya)という家号をもち、この家号を言い換えたのが「竜王の駒」である。また、浴衣の柄は、やはり中村家に縁(ゆかり)のある「梅」が描かれており、「芝翫筆」の落款(サイン)も見える。つまり、芝翫が自ら描いた図柄を着物の柄に使ったという趣向である。右には、後に9代目市川団十郎となる河原崎三升(Kawarazaki Sanjo^)(当時は河原崎権之助が正式な名で、三升は俳名)が三筋の綱五郎(Misuji no tunagoro)、沢村訥升の☆菊(kangiku)の紀の介(Kinosuke)。左には、五代目尾上菊五郎(Onoe Kikugoro^)の寺島の梅(Terashima no ume)、五代目坂東彦三郎(Bando^ Hikosaburo^)の音羽の竜(Otowa no taki)が描かれている。