総合
美盾十二史 申 与次郎
【翻刻】
兄が愚直の孝行は心も清し堀川の水娣が節義の道行は目当にすなる聖護院の杜是や花洛を途出の一曲真猿愛でたき兄弟とやいふべし
柳亭種員筆記
絵師:国芳
落款印章:一勇斎国芳画
改印:丑九改
【題材】
この作品は、尾上多見蔵の似顔絵で、与次郎の持つ団扇に「大あたり」とある。弘化三年一月に中村座において「目出度猿若一諷」が上演されており、番付を確認したところ、与次郎役を尾上多見蔵が演じていたので、目出度猿若一諷」で尾上多見蔵が大当たりをとったことを当て込んだ作品か。