鴨跖草

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つきぐさ


画題

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解説

東洋画題綜覧

鴨跖草は一名露草、ばうしばな、蛍草、笹草、あをばな等といろ/\別名異名があり、漢名には翠胡蝶、翠蛾眉、藍竹花、秋峰児、竹節菜などといふ、鴨跖草科に属する一年生の草木で、葉の形が一寸笹に似、半月形した苞の上に藍色の二片の花蓋が著しい、昔は此の花蓋を取り青色の染料に用ひたので、あをばなの名が残つてゐる、原野路傍到る処に自生し、夏可憐な姿を呈しているので、絵にもよく画かれてゐる。

つき草に衣は摺らむあさ露にぬれての後はうつろひぬとも

つき草に衣いろどりすらめどもうつらな色といふがしるしき  (万葉集)

鴨跖草はよく画かれているが、此の花のみを描いたものは少く、吉田秋光にこの作があり、他の草花と共に画いたものでは、光琳の『四季草花絵巻』(津軽伯爵家蔵)が著しい。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)