風土記

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総合

『風土記』で登場する土蜘蛛の例をそれぞれあげる


○常陸国風土記

古老のいへらく、昔、國巣(俗の語に都知久母、又、夜都賀波岐といふ)山の佐伯、野の佐伯ありき。普く土窟を掘り置きて、常に穴に居み、人來れば窟に入りて竄り、其の人去れば更郊に出でて遊ぶ。狼の性、梟の情にして、鼠に窺ひ、掠め盗みて、招き慰げらるることなく、彌、風俗を阻てき。……


○豊後国風土記

昔者、纏向の日代の宮に御宇しめしし天皇、球覃の行宮に在しき。仍ち、鼠の石窟の土蜘蛛を誅はむと欲して、群臣に詔して、海石榴の樹を伐ち採りて、椎に作りて兵と爲し、即ち、猛き卒を簡みて、兵の椎を授けて、山を穿ち、草を靡け、土蜘蛛を襲いて、悉に誅ひ殺したまひき。……


○肥前国風土記

同じき天皇、行幸しし時、土蜘蛛八十女、又、此の山の頂にあり、常に皇命に桿ひて、降服ひ肯へざりき。……



<参考文献>
『古典文学大系 風土記』