額田媛

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ぬかだひめ


画題

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解説

東洋画題綜覧

天武天皇の妃、鏡王の女で鏡の女王の妹といふ、父鏡王は近江国に関野洲郡に住し、「額田媛は姉鏡女王が大和国平群郡額田郷に住んでゐたので其の処を名としたのであらうといふ、日本紀には天武天皇初め鏡王の女額田媛を娶つて十市皇女を生むとある、十市皇女は弘文天皇の妃、万葉集に拠れば、天智天皇に召されたものゝやうである、才藻豊かに万葉集にはその作が数多載せられてゐるが、一巻に収められた春山万花の艶と秋山千葉の彩を競はせられた時の奉答歌は有名である。

冬ごもり、春さり来れば、鳴かざりし、鳥も来鳴きぬ、開かざりし、花も開けれど、山を茂み、入りても取らず、草深み、取りても見ず、秋山の、木の葉を見ては、黄葉をば、取りてぞ賞ぶ、青きをば置きてぞ歎く、そこし恨めし、秋山吾は。

万葉集の画題にのぼる時、額田媛またよく画かる。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)