難波日香蚊

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なにわの ひかか


画題

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解説

前賢故実

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父子がともに大草香皇子に仕えていた。安康天皇が大草香の妹幡梭と皇弟大泊瀬を結婚させようと、根使主を遣わして詔を伝えた。大草香皇子は大変喜んで詔を受けて、承諾の印として珠縵を献上することにした。しかし、根使主は珠縵のことを隠して、帝に「大草香皇子は命を受けず、言葉遣いが傲慢だった。」といい、偽りの報告をした。帝は大いに怒り、兵を遣わして大草香皇子を殺し、幡梭を皇弟に妻合わせた。日香蚊父子は悲しくて堪らない。父日香蚊は大草香蚊皇子の頭を抱き、二人の息子は皇子の両足を持って号泣しながら、「我が君は罪も無いのに誅殺された。なんと不幸なことだろう。生前に臣下としてお仕え申しあげ、死に殉じないことはあるまい。」と言うと、自刎して皇子の屍の側で殉死した。雄略天皇十四年、根使主は悪事の発覚によって誅殺された。帝は、日香蚊の子孫を探し出して大草香部吉士という姓を下賜した。

(『前賢故実』)