降三世明王

提供: ArtWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

こうさんぜみょうおう


画題

画像(Open)


解説

画題辞典

五大尊明王の一なり、東方に配す。四面八臂を有し、忿怒の相を表わす、左足には自在天を踏み、右足には烏摩石を踏む、三世の怨敵を降伏するの故に此名あり。

奈良東大寺京都東寺等に名作あり、尚五大尊明王の条参照すべし。

(『画題辞典』斎藤隆三)

東洋画題綜覧

金剛界曼荼羅会中降三世会七十七尊の一、又胎蔵界曼荼羅会中、持明院五尊の一で、仏陀慈悲忍辱の形相を顕はして衆生を済度せんと欲するも世に悪人あり悪魔あつて正道に帰せしむること能はざるより身を大忿怒の明王と現じ善人を障碍するところの悪魔悪鬼を降伏し人をして恐怖の念を消し安穏の楽を得せしむるとある、そして降三世といふのは『曼荼羅抄』に『何故名降三世、答降三毒故也、又三世三毒共降故也』とある、是を以て降三世明王は悪魔降伏の神として信仰せらる、其の金剛界曼荼羅の形像は四面八臂で中央二手印を結び心右に当て右上手三鈷を持し、臂を怒らし下に向つて勢を擬し次の手箭を持し、次の手剣を執る、左上手鋒(上に三鈷あり)を持し、次の手弓次の手索を執る、四面の中、正面は青色、右面は黄色左面は緑色後方は紅色、四面各々三目を備へ、利牙上方に出で身に火炎聚を流し、遍体立青色、右足を挙げ、左足を旋らし、左足大自在天の頂を按じ、右足大自在天妃の乳所の上を踏む、これ即ち煩悩所知の二障を断除するのであると。

大阪府河内金剛寺には伝運慶の作あり近江の延暦寺にも木造一個あり共に国宝である。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)