関八州繫馬

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近松門左衛門作の人形浄瑠璃。近松の絶筆となった作品で最大の長編。平将門の遺児良門の謀反と頼光・四天王の追討を扱った時代浄瑠璃。『前太平記』や謡曲等の説話などを素材としている。『前太平記』は『源平盛衰記』や『太平記』の「剣の巻」の内容とほぼ類似しているが、藤原保昌が出てくるところがはっきりと異なる点である。嫉妬に狂う怨霊出現から五段目葛城山に至る展開が「土蜘蛛」説話に拠ったものである。


<梗概>(土蜘蛛と関連する所のみ)
頼光は謀反人相馬良門追討の勅命を受ける。将門の子良門が妹の小蝶を間者として頼光の弟の頼信の館に入り込ませる。小蝶は頼信に恋焦がれていたが、伊予の内侍が輿入れすると聞いて、嫉妬し、内侍の毒殺を企てる。しかし、頼光の御台に見咎められ、良門の妹と知られ殺される。小蝶は頼信を恨み死ぬので、葛城山の土蜘蛛が小蝶に乗り移る。間もなく内侍は病いに犯され、小蝶の怨霊が蜘蛛の精となって頼信や内侍らに祟るが、四天王の女房達がそれに気付く。小蝶の怨霊は土蜘蛛の正体を表して飛びかかるが、頼光の蜘蛛切の威徳で怨霊も退散し逃げるが、四天王が葛城山へ追いかけて退治する。


この作品は胡蝶を蜘蛛の化身としている所や四天王の女房たちが宿直をしている所が他とは違って新しい所である。



<参考文献>
『歌舞伎事典』平凡社 2000年
『国文学 解釈と鑑賞 441』至文堂 1970年
『歌舞伎名作事典』演劇出版社 1996年
『演劇界 64巻9号』演劇出版社 2006年
『前太平記 上』国書刊行会 1988年
『演芸画報 大正篇第22巻』不二出版 大正5年3月