銭塘

提供: ArtWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動

せんとう


画題

画像(Open)


解説

東洋画題綜覧

銭塘は支那の江河の名、流域に名所が多いので聞えてゐる、浙江又は曲江と呼び源が二つあつて南源は蘭渓といひ、新安港婺港の二流、金華府蘭渓県城の西に合して北流し、西源は徽港といひ安徽の徽州に発し東流して厳州府城の東南に至り蘭渓に合する、これより水量大を加へ、東北流して杭州府界に入り、富春県の東で富春江といひ銭塘仁和二県の境に於て銭塘江といひ、下流は銭塘湾に注ぐ、湾口潮汐の干満非常に大にして、潮流迫り来る時は往々河水を堰きとめて偉観を呈する、これを海嘯といふ。古来有名である。

銭塘江を画いた作極めて多いが、池大雅筆『銭塘観潮屏風』(帝室博物館蔵)最も聞え、近くは小室翠雲筆『海寧観潮』(第四回帝展出品)がある。

     銭塘観潮     仇遠

一痕初見海門生、頃刻長駆作怒声、万馬突囲天鼓砕、六鼇翻背雪山傾、遠朝魏闕心猶在、直上厳灘勢始平、寄語呉児休踏浪、天河罔象正縦横。

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)