金閣寺

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きんかくじ


画題

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解説

東洋画題綜覧

金閣寺は京都名所の一、洛北北山にある、『都名所図会』に曰く

金閣寺は平野の乾、衣笠山のふもとにあり、禅宗にして鹿苑寺ともいふ、応永四年に将軍義満公高閣をたて、華美をつくし金箔を以て一面に粧ひ閣の前には池広くして九川八海となづけ伝ふる奇石さま/゙\あり、金閣三重にして第一を法水院といふ、弥陀の三尊夢窓国師の像、鹿苑院殿道義の像あり、第二を潮音洞といふ、自然木の観音、四天王を安ず、第三を究竟頂といふ、後小松院勅額あり、板敷三間四面一枚板四壁の板悉く金箔を押す、むかしは境地甚だ広かりしなり、惣門は紙屋川の西、今の地蔵院の傍にあり、礎今にあり、御所を芳徳といふ、金閣の廻りみな池にして芳徳の間に反橋を架す、池の南に拱北楼あり、巽に小御堂あり、東に地蔵堂、其地を地蔵本といふ、其北に大塔あり、本尊弥勒、方丈の北に一峰あり縦目峰と号しぬ、北方の奇観此地にすぐれたるはなし。

金閣寺は古来京名所として四条円山の諸家に依つて盛に画かれるが、近作にもある。

橋本雅邦筆  『雪中金閣寺』  某家蔵

川口呉川筆  『金閣創建』   文展十二回出品

高橋史光筆  『鹿苑寺』    第九回帝展出品

山口玲熙筆  『金閣寺』    第七回帝展出品

(『東洋画題綜覧』金井紫雲)